みなさまこんにちは。
さて、当ブログは「フランス車のある生活をとことん楽しむブログ」でありまして、プジョーやシトロエンなどのフランス車をはじめとする輸入車にまつわる話題をまったりゆったりとお送りするクルマ専門ブログです。
しかし、今回はクルマの話題ではなく、鉄道、それもリニアモーターカーについてお送りしたいと思います。
なぜリニアモーターカーの話題か?
なんと、JR東海が主催する「JR東海超電導リニア体験乗車」に当選したのです!!
時は遡ること2ヶ月前、偶然ネットで見つけた体験乗車の募集記事を目にして「リニア、か・・・どうせこんなん当たらんやろなあ。まあ、ものの試しに応募してみるか・・・ポチポチ」と応募してみたところ、なんと当選したのです。
すげえ、リニアに乗れる!
確か二千何十年だかに開業するとか言われているあのリニアに!!
私「ねえみんな。リニアに乗りたい?」
3人の子供たち「うん、乗りたい!」
5歳長女「でもリニアってまだやってないでしょ?」
私「鋭いねえ。リニアはまだやってないけど、体験乗車で乗れることになりました!」
子供たち「・・・・・・???????」
ああ、この瞬間を「3児、リニアたいけんじょうしゃと聞いてキツネにつままれるの図」としてキャプチャーしたい・・・
まあとにかく乗れるわけですよ。あのリニアに。
ということで、2016年の8月某日、愛車を駆って家族で山梨県都留市の「リニア実験センター」まで出向いたのです。
なお、ほんの少しだけ車ネタを記しておきますと、今回久しぶりに中央自動車道で都内から富士吉田線の都留まで走りましたが、東名高速や東北道のようにかっ飛ばすのとは違い、高速ワインディング路をひたすら登っていく感じでした。
この山坂道をわが愛車プジョー308SW(1.6L直噴ターボ6AT)は、乗員総重量160kgの5人乗りでエアコンオンでも難なく駆け上がり、ライントレースにもなんの不安もなく、極めて快適なドライブを提供してくれました。
登り坂で時速70kmくらいの緩行車に引っかかるとエンジンが1,500回転を下回ってしまい、そこから踏み込んでも2,000回転付近まではトルクが立ち上がらないのはこのパワトレの弱点です。しかし、それさえ除けば超快適な高速クルージングでした。いやあ、やっぱりいいですねえ、我が愛車。
今回の車ネタは以上です。あとは延々と鉄道の話題が続きます。
そもそもリニアってなんだったっけ?
ところで、リニアモーターカーってなんでしょうか?
え、「磁石の力で浮いて走る電車でしょ」って?
そうなんですよね。私も体験乗車を終えるまではこの程度の認識でした。しかし、これは間違いではありませんが、正確でもありません。
せっかくだから、正しい知識を備えてプチリニア博士になって「おとうさん、リニアくわしいね!」と言われたいですよね。
ウンチクなんてどうでもいいんだよ早く乗った感想を聞かせろよこのやろう、という方はショートカットしてください。
さて、ここでいう「リニア」とは、JR東海などが2027年の開業を計画している「リニア中央新幹線」を走行するために開発が進められているリニアモーターカーなわけですが、より正確には「超電導磁気浮上式リニアモーターカー」です。
ド文系な私はすでに頭から煙が出始めているのですが、なんとか頑張ります。難しい言葉は分解していって、何が解って何が解らないのか、ときほぐしていけばいいんですよね。
「超電導」で「磁気浮上」する「リニア」な「モーター」の「カー(電車)」。
なんということでしょう。私が自信を持って理解できていると言えるのは「カー(電車)」だけではないですか。
「理解とは概ね願望に基づくものだ」と、どこかの誰かが言っていましたが、願望すら持てません。若い頃にもっと勉強しておくべきでしたね。これは基本の基本から押さえていくしかありません。
まず、そもそも「モーター」とはなんなのか。一般的には電気モーターなわけですが、これですね。
– wikipedia –
電気モーターは私たちが便利で快適で楽しい生活を送る上で欠かせない技術です。モーターがなければ冷蔵庫は冷えず、洗濯機は回らず、エアコンの風は止まり、電気カミソリは剃れず、DVDは再生できず、プラレールは手転がしになり、携帯電話のバイブは鳴動せず、自動車のエンジンはかからず、自動ドアは開かず、エレベーターもエスカレーターも動かず、電車も走れません。
その電気モーターは、外側に置かれた永久磁石と内側に置かれた電磁石を組み合わせて、電気エネルギーを回転運動に変換する機械です。そうですね。そうでしたね。
誰でもわかるサーボモータ入門 ~第1回「モータのしくみ」~
– 安川電機 –
それでは「リニアモーター」とは何か。英語のリニア(Linear = Line + ar)は「直線状の」といった意味ですが、通常のモーターが電気と磁力を使って軸を中心に回転運動する構造であるのに対し、リニアモーターはこれを引き延ばして直線状に運動させる構造です。
リニアモータの原理は、車輪自体を回転させずに磁力を使って、引っぱったり、押したりする力で推進力を生み出します。
「リニアモータカー」ってどういうしくみ?
– (社)日本地下鉄協会 –
なるほど。一般的な電車はモーターの回転軸に接続された車軸が駆動輪になって自走するのに対し、鉄輪式リニアモーターカーは、磁気の吸収・反発力で推進するため、駆動輪が存在しないんですね。車両とレールが一体でモーターを構成していると。
なお、「リニアモーター=浮上」というイメージもありますが、リニアモーターはあくまでも推進機構であり、浮上とは関係ありません。日本では地下鉄などでその動力としてリニアモーターが採用されています。
都営地下鉄大江戸線は「鉄輪式リニアモーターカー」である。見かけ上は普通の鉄道のよう。しかし、大江戸線の車両は従来の電車とは異なり、円筒型のモーターを搭載していない。車体の床下と線路に電磁石を設置したリニアモーターによって走行している。
鉄道トリビア (56) リニアモーターカーは日本の5都市の地下をすでに走行中
– マイナビニュース –
つまり、リニアモーターカー自体は珍しくもなんともないわけですね。私も毎日通勤で使っているのです。
5歳長女「えっ、じゃあお父さんいつもリニアモーターカーに乗ってるんじゃん。ズルい〜」
ごめんな。お父さんも知らなかったんだよ・・・
超電導で磁気浮上するからすごい日本のリニア
次に「磁気浮上」です。
磁気浮上とは、文字通り磁気の力で浮上するという意味です。これは想像しやすいですね。ただし、床に置かれた磁石にもう一つの磁石の同極を重ね合わせても、反発してひっくり返るだけで、空中に浮いて安定することはありません。
しかし、仕組みとしては意外とシンプルで、磁気浮上リニアはおもちゃにもなっています。
レールに取り付けられた帯状の磁石と、各車両底部の四隅に搭載した4つの磁石の反発力で約2mm 本体が浮上します。
リニアライナー磁力浮上・磁力走行の仕組み
– タカラトミー –
そしていよいよ最後の「超電導」です。
「そういや、磁気浮上式のリニアモーターカーって、もう上海で実用化されてるじゃん。日本のリニアが2027年開業なんて、遅れてない?」
はい。
いいえ、日本の技術が遅れているのではなく、上海のリニアと日本のリニアは原理が異なるんですね。
どちらも磁気で浮上して超高速運転することは同じですが、日本のリニアが「超電導」であるのに対し、上海リニアは「常電導」なのです。
両者の違いを簡単にまとめました。

超電導式は常電導式に比べてより強い磁力を発生させることができるため、より高く浮上し、より速く走行できるということです。
ある種の金属・合金・酸化物を一定温度以下としたとき、電気抵抗がゼロになる現象を超電導現象といい、超電導状態となったコイル(超電導コイル)に一度電流を流すと半永久的に流れ続けます。超電導リニアには、超電導材料としてニオブチタン合金を使用し、液体ヘリウムでマイナス269℃に冷却することにより超電導状態を作り出しています。
超電導リニアについて
– JR東海 –
磁気浮上式リニアモーターカーは、さらに駆動原理によって「常電導磁気浮上式」と「超伝導磁気浮上式」に分類されます。
浮かせて押して引っ張って…… — 夢と現実の、リニアモーターカ
– TDK –
台車には液体ヘリウムを使った冷凍機を搭載。マイナス269度まで冷やして電気抵抗をゼロにし、普通の磁石を大きく上回る磁力を生み出す。
マイナス269度で超高速に リニア新幹線車両に台車取り付け
– 日本経済新聞 2013/3/26 –
識者に言わせれば、上海リニアの常電導式は日本の超電導式とくらべれば「オモチャ」だそうです。オモチャ。私が言ってるんじゃありませんよ。識者さんが言っているのです。
超電導に比べて圧倒的に磁場が弱く、浮上する高さは1センチメートル程度しかありません。もしも地震などで軌道が歪めば、すぐに車両と軌道が接触する危険があります
リニア新幹線 上海リニアとは「機械とオモチャの違い」と識者
– 週刊ポスト –
一方の上海リニア「トランスラピッド」はドイツの技術によって開発されたものです。常電導式リニアは低コストで設置できることがメリットです。
強磁性体の永久磁石と通常の電磁石を用いている。液体ヘリウム冷却が必要な超伝導電磁石を用いた超電導リニアと比較して、低コストでの導入、運用が可能である。
トランスラピッド
– wikipedia –
上海トランスラピッド(上海マグレブ)は中華人民共和国上海市浦東新区の上海浦東国際空港にアクセスする、トランスラピッド方式による磁気浮上式鉄道の交通機関。
上海トランスラピッド
– wikipedia –
トランスラピッドは上海以外では採用実績がなく、なんと開発元のトランスラピッド社は2011年にリニア開発を終了していました。上海リニアの延伸も構想はあるものの、実現の見通しは立っていないようです。
なお、中国も独自技術によって磁気浮上式リニアの開発を進めているそうですが、こちらはまだまだ先のようです。
中国初の完全自主設計、自主製造、自主施工と自主管理による中低速リニアモーターカーの長沙リニアモーターカーラインが正式に試運転を開始した
中国が自主開発したリニアモーターカーは、日本にとって脅威となるか
– サーチナ –
なるほど、将来性は日本の超電導リニアに分があるということですね。
リニアはほんとうに2027年に開業するのか?
さて、時速500kmで浮上走行する超電導リニアモーターカーが完成しても、線路(リニアではガイドウェイと呼びます)が開通しなければ開業できません。
これはもうできます。開業まであと11年ありますので不測の事態が起こる可能性はありますが、できる予定です。
リニア中央新幹線は品川から名古屋までの258.6kmを直線に近い路線で結びますが、総延長の86%はトンネルで、都市部は地下40m以下の大深度地下を通ります。
品川〜名古屋間の工事はすでに始まっていて、途中駅や地上の非常口の場所が発表されています。
東海旅客鉄道(JR東海)は9月18日、東京都から名古屋市までの区間を対象としたリニア中央新幹線の環境影響評価準備書を公表し、詳細なルートや駅の位置を明らかにした。
リニア詳細、全ルート・6駅の位置が明らかに
– 日経コンストラクション –
品川駅は2016年1月に着工しました。
2016年1月27日(水)、JR東海はその東京側のターミナルである品川駅の起工式を行い、本格的に同駅の新設工事をスタートさせました。
三大難所リニア品川駅が着工 走る新幹線の下に
– 乗りものニュース –
名古屋駅も1年以上前に着工しています。
リニア工事は、名古屋や品川の新駅が本線に先行。JR東海は名古屋の新駅工事を、18日に本線着工の起工式がある南アルプストンネルと並ぶ「2大難工事」とする。開業予定の27年までかかる見通しだ。
着工1年、リニア名古屋駅 鉄道運行と並行「難工事」
– 朝日新聞 2015/12/17 –
最大の難所とされる南アルプストンネルも工事が進められています。
標高3000m級の山々が連なる南アルプスを貫き、山梨、静岡、長野の3県にまたがる全長約25kmの長大トンネルは単に長さだけでなく、土かぶり(地表面からトンネルまでの深さ)も1000m以上に達する難工事だ。
27年開業なるか?リニアの行く手阻む最難関 全長25㎞の「南アルプストンネル」が着工
– 東洋経済 –
なお、トンネル部はおよそ5kmごとに非常口と換気口を兼ねた地上設備が設置されます。例えば東京都大田区東雪谷の非常口。洗足池の近くの住宅地のど真ん中なのですが、リニアが通るトンネルの真上にまるであしらえたように東京都の職員住宅があるんですよね。
2つ目の非常口は、「大田区東雪谷一丁目付近」に計画している。東京急行電鉄池上線に沿った場所で、洗足池からの距離は200mほど。計画地には現在、警視庁の官舎などが建っている。
この場所に!? リニア詳細路線を歩いて分かった
– 日経コンストラクション –
・トンネル部19.4kmの路線計画(うち18.0kmは大深度地下区間) ・東京都区部には2箇所の非常口とターミナル駅、変電施設を計画
中央新幹線(品川・名古屋間)に係る事業説明会の資料について (東京都)
– JR東海 –
すこいですね。官舎を狙い撃ちにして路線を決めたのか、ルートの上にたまたま官舎があったから「ちょうどええやん。ここ退いてもらいましょ。」となったのかはわかりませんが、よくできていますねえ。
いやー、工事関係の資料を眺めていると、夢の超電導リニアが本当に実現に向けて具体的に進捗しているんだなあと、改めて気づかされますね。
えっ?
リニア体験乗車の感想はまだなのかって?
まさかここまで引っ張って「いやー、実は乗れませんでした。テヘっ」って落ちじゃねえだろうなあって?
安心してください!本当に乗りましたから!
でも長くなりましたので一旦切ります。
次回はいよいよリニア体験乗車です!

