メルセデスのSUVフェアで改めてGLBの良さに気づかされました。

みなさまこんにちは。

最近は、ブログの前口上で書き留める内容も新型コロナばかりになっていますね。我が家も2021年初夏の第4波までは対岸の火事だったのですが、夏の第5波でついに喰らってしまいました。

幸い夫婦は2回のワクチン接種を終えていたため、ほぼ1ヶ月に渡る事実上の軟禁生活をつつがなく終えることができました。そして、過ぎてしまえば何事もなかったかのように平穏な日々が再び始まります。

子どものコロナ感染は無症状またはごく軽傷で済むことがほとんどですが、とはいえあの隔離をもう1度経験するのは二度とごめんです。日本においてもいち早く12歳未満を対象としたワクチン接種が始まり、ウイルスが変異を繰り返して弱毒化するとともに、指定感染症の対策レベルも下げられて欲しいと願うばかりです。

しかし、一難去ってまた一難。高齢の親族が緩和病棟に入院したり、長男は毎日怒られるようなことばかりするようになり、次男はサッカーで足を強打撲、別の親族の反ワクチン化が発覚し、そして追い打ちをかけるように休日深夜に関東を襲った震度5の地震でトイレが壊れて使えなくなるなど、心労の焼夷弾が容赦なく相次いで降り注ぐのです。

まさに人生は四苦八苦(生老病死+愛別離、怨憎会、求不得、五蘊盛)に満ちています。その苦難の原因が「自分に降りかかってほしくない厄災は起きない」という根拠のない妄想や、自己の欲求には際限がなく貪欲にあれこれと欲し続けることであることは知っています。

それでも凡人の私は、自分の思い通りにならないことに対して悩みや苦しみや憎しみや怒りを抱き、ないものねだりをしてしまうのです。

そんな辛い人生に一時の慰めと心の平穏を与えてくれることといえば、そうです。自動車です。

9月の3連休を使って福島に行ってきましたが、納車から半年経った我が愛車メルセデス・ベンツGLBはまたも大活躍。5人乗りでもドライバビリティにまったく不足はなく、ADASは雨でも夜でも心強い。長旅を安全快適にドライブすることができて、つくづくよい買い物をしたものだと思います。

しかし、そんな体験をしながらも、わが愛車GLBのハンドルを握りながら、「メルセデスの上位クラスは、もっと素晴らしいんだろうなあ…」などと貪欲な想像を巡らせてしまうのです。「もっとよいものを。もっとよいものを」と、そんなことを続けていたらお金がいくらあっても足りません。私には仏陀の悟りの境地はあまりにも遠すぎるようです。

そんな折に、私の行きつけのディーラーが「SUVフェア」を開催するというので、見物に行ってまいりました。

メルセデス・ベンツのSUVは非常に車種が豊富なことで知られています。エントリークラスから挙げるとGLA、GLB、GLC、GLCクーペ、GLE、GLEクーペ、GLS、Gクラスと、ボディだけで8種類もあるのです。これにEQAとEQCと加えると総勢10車種という、世界に冠たるSUVメーカーと呼んでも差し支えないほどのラインナップです。

もはや「メルセデスのSUV」というより「SUVのメルセデス」なんですよね。好むと好まざるとに関わらず、それが現実なのであります。

この3月にGLBが納車された私はメルセデス歴わずか半年程度の新参者ですので、これはメルセデス・ベンツのラインナップを勉強するいい機会だと思い参加させて頂いたのです。

日曜午前の開店の午前10時ちょうどに乗り込みます。フェア目当ての客は私1人。店舗に隣接した認定中古車スペースにメルセデスのSUVが勢揃いしていました。

全てを写真に収めることはできませんでしたが、GLA、EQA、GLB、GLC、EQC、GLE、GLEクーペ、GLSにGクラスという、ほぼフルラインナップ。なんとこれらすべてに試乗できてしまうというのですから、店舗レベルのフェアとしては相当な力の入れ具合です。

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水戸ナンバーのGクラス(右)とGLS(左)はメルセデスジャパンから借りてきた車両だそうです。
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会場をグルっとひと回りしてみます。まずはGLAとEQA。写真は撮り忘れましたが、GLAベースの純EV車がEQAです。EQAの車内はGLAやGLBと同じですね。見た目の印象としては新規性はありません。

EQAのレビューでよく指摘されるのが後席のフロア。床下にバッテリーを搭載するために、フロアが嵩上げされているのです。EQAの後部座席に座ると、小型の4座クーペの後席に座ったように膝の裏が座面から浮くような状態になります。

写真で比べると一目瞭然ですね。シートレールとフロアの段差が全然違うのです。うへえ。

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左:EQAの後部座席。右:GLAの後部座席。EQAの床面がシートレールの高さまで嵩上げされていることが分かります。

こちらは電気自動車のEQC。ボディはGLCと共通ですが、モデル末期のGLCがいまとなっては珍しいアナログメーターであるのに対し、EQCはフルデジタルメーターが採用されています。
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GLEは店内に展示車がありました。GLCには3列シート車の設定がないので、メルセデスの7人乗りとしてはGLBの1ランク上がGLEになります。
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GLEはGLBやGLCと比べるとフロアが高く、サイドステップがないと乗り降りが大変です。乗用車ライクなGLC以下とは明確にコンセプトが違うようです。
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「EクラスのSUV」ですので、内装の雰囲気も上質です。デジタルメーターとインフォテ画面は、GLBなどの下級クラスよりひと回り大きな12.3インチ。
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GLEは全長が4.9mあるため、3列目を起こしても1泊2日程度の荷物なら7人分積めそうです。7人乗ると傘しか積めないGLBとは大違い。カーペットの素材も高級感がありますね。
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3列目にアクセスするには電動式の2列目シートを前倒しする必要があります。3列目は広大とは言えませんが、まあ座れます。
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そしてメルセデス・ベンツSUV界のフラッグシップ、GLS。隣のGLEクーペが小さく見えます。同一ブランドで7人乗りがこれだけ揃っているのも凄いですよ。
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全幅ほぼ2.0mのGLSのコックピット。ステアリングホイールとタッチパッドが小さく見えます。

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GLSくらいのサイズになると、ようやく2列目の中央にまともに着座できるようになります。とはいえ、クッションは硬めです。

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3列目に大人が座ってもまずまず快適で、ヒンジドア車にも関わらず、乗降性も悪くありません。もっとも全長は5.2mありますので、やはり駐車場は選びます。
なお、3列目に乗り降りするために電動2列目シートを倒したところ、モーターやプラグが丸見えになっておりました。まさかVIPを3列目に押し込むことはないとは思いますが、1500万円級の高級車でこのメカメカしさはどうしたものでしょうか。
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そして最後はGクラスのAMG仕様、「AMG G63」です。585馬力というとてつもないパワーを発揮する4000ccのV8ツインターボ。

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価格もおよそ4.0GLB(約2400万円)とお高いですが、迫力もメルセデス随一です。担当営業氏によれば、めっちゃ速いそうです。
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G63のドアを開けて驚きました。なんと昔懐かしい、ドアハンドル横のボタンを押して開けるタイプなのです。私が小学生くらいの頃は、こういうドアが珍しくなかったと思います。
そして、独特なストライカーの形状のためか、ドアを開ける時も閉める時も、「バスン」ではなく、「ガシャン」というか「ギャリン」というか、なんとも聞いたことがないような音がします。
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ドアステップに足をかけて運転席に上がり込むと、そこはド派手な真っ赤っかの世界。まさに派手を司る神の領域で、私のような地味柱にはとても太刀打ちできません。
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軍事車両が起源であるGクラスですが、AMG G63はまさにハイパーファッショナブル軍用車。私のような凡人の理解を遥かに超えた世界でした。

なにせG63とGLSを見比べれば、高級感では明らかにGLSの方が上です。しかし、残価率はGクラスが断然上だそうです。まあそうだよね…いやー、すごい世界。
それではいよいよお楽しみの試乗にうつります。
まずは電気自動車のEQCに試乗します。電気自動車といってもGLCベースなので、内装の雰囲気や操作系は至って普通のメルセデス。住宅地から川沿いのオープンロードに出たところでアクセルを踏み込むと、バビューン!とものすごい加速。
メルセデスなのでかなりマイルドな加速に仕立てられているのだと思いますが、それでもアクセルを踏んだだけ車両全体がググッと押し出されるような力強さは電気モーターならでは。

そして、それ以外は良くも悪くもいたって普通の車です。現行世代のメルセデスから乗り換えれば、なにも迷うことはありません。

ただし、残念なのは電費です。試乗車の残電力は4分の3弱で、走行可能距離は213kmと表示されていました。
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カタログ上の航続距離は約400kmですが、この車の走行状況では、残電力が2分の1で航続距離は200km未満ということになりそうです。
電気自動車は一般的に速度が上がるほど電費が悪化するので、実用的な航続可能距離はおそらく300km台というところでしょう。
400kmのレンジということは、ICE車でリッター15kmで走るとした場合、燃料タンク容量は27リットルということになります。これは、Dセグメント高級SUVであるGLCの車体に、軽自動車並みの燃料タンクが装備されているということを意味します。
私が試乗したEQC 400 4MATICには「1000万円」という値札が付けられていましたので、これはちょっと考え込んでしまいます。
街乗りだけらなら問題ありませんが、旅行に出かけるとなると、航続可能距離が400kmでは東京から那須塩原の1泊2日の小旅行もできません。
綿密な充電計画が必要になりますが、面倒ですよね。こんなことをTwitterで呟こうものなら「そんなことはありません。高速道路で必ず休憩しますよね。その間にサービスエリアでコーヒーでも飲みながら20分だけ継ぎ足し充電すればよいのです。」というEV原理主義の方が現れそうです。
でも例えば、東北道佐野サービスエリア下りの給電スタンドってたったの1基しかないんですよ。1基ですよ。1基。
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寂しげに佇む佐野サービスエリアの急速充電器
自分が充電したい時に他の誰かが充電中だったり機械が故障していたら、その時点で旅の計画が音を立てて崩れていくじゃないですか。
給油機が1台しかないガソリンスタンドや洗濯乾燥機が1台しかないコインランドリーなんて、ビジネスとしてありえないじゃないですか。
もちろん電気自動車ならガソリンスタンドに行かなくていいとか、機関系のトラブルや整備が不要というEVならではのメリットはあります。それでも、内燃機関車と同じ部品は相当数存在するので、整備フリーというわけにはいきません。
電気自動車を買うということは、現時点では間違いなく金を払って不便を買うことになるという、ある種の道楽や実験であるように思えてなりません。
私は旧来の価値観に囚われているということなのでしょう。しかし、GLCに試乗したことで、電気自動車が普及するのはいったいいつのことになるのやらと、考えさせられてしまいました。
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EQCの運転席、だと思う。
さて次はなにを試乗しましょう。せっかくですから、絶対に買わないし絶対に買えないけど、G63を体験してみましょう!AMGは無理としても、もしかしたら、素のGクラスならひょっとしたら買えちゃうかもしれないですからね。
が、ちょうど試乗の先約が入っていて、残念ながらG63乗ることは叶いませんでした。立ち尽くす私の目の前を、真っ白な試乗車がグボオオオオオオオとV8エンジンを轟かせながら過ぎ去っていきます。
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Gクラスと並ぶとまるで軽自動車のようなわがGLB。ラダーフレーム車の運転席によじ登った状態を「コマンディングポジション(指揮官目線)」と名付けた人は天才。

Gクラスが不可となると、7人乗り輸入車ウォッチャーとして興味があるのはGLSかGLEですが、より現実的なGLEに乗ってみましょう。
先ほどのEQCと同じ試乗コースを通ります。GLEも、EQCや他のメルセデス車と操作方法はまったく同じ。GLEは全幅1.9mを超える巨大ですが、あまり不安はありません。
しかし、試乗コースを走る10分程度の間、私はずっと「うーん。うーん」と唸り声を上げ続けてしまいました。
GLE、いいですよ。なにせ「SUVのEクラス」ですから。弟分である我がGLBと比べれば全方面でいいです。価格も2.0GLB(約1,200万円)もしますからね。
外観はど迫力。ディーゼルエンジンはパワフルで静粛性も高い。内装は手が触れる部分はすべて上質な素材で、GLBでは多用されているハードプラはごくごくわずかな場所に巧妙に使われているだけです。
ドアは窓枠全体が内装材で覆われていて、GLBのように外板が車内に露出せず、GLBではメッシュの内装材も、GLEはふわふわのクッションのような素材です。また、GLBではガッツリとコストダウンのターゲットになったインナードアハンドル周辺の部材の手触りも申し分ありません。
インフォテ画面はひと回り大きく、ACCの制御もGLBと比べて落ち着いているように感じます。
しかし、GLEの価格でGLBが2台買えてしまうことを考えると「やっぱり2台分凄えな!!」とまでは感じなかった、というのが正直な感想なのです。
GLEはGLBより全面的によいとはいえ、ステアリングホイールはセンターパッドの素材を除いてまったく同じ。エアコンスイッチもたぶん同じ。インフォテやメーターは画面は大きいけどソフトウェアは同じ。MBUXも同じ。タッチパッドの操作感も同じ。アンビエントライトのLEDチューブが剥き出しの直接照明なのも同じです。
ADAS系も、多少の制御の精緻さを除いて同じで、1000万円出したからといって、赤信号で停止したり交差点を自動操舵で曲がれるわけではありません。
そして、一般道での乗り心地に関しては、GLBの方がむしろよいとさえ感じたのです。「SUVのEクラス」であるGLEには、包み込むようにまろやかで、それでいて芯のある乗り心地を期待していたのですが、突き上げ感はGLBとあまり変わらず、揺すられ感はGLEの方が大きい感じがしました。
少なくとも一般道を5kmほど走らせた限りでは、GLBの方が全体的にカッチリしていて、GLEは少しルーズな乗り心地だと感じました。ステアリングフィールも先ほどのEQC、GLEとGLBを較べても大差ありません。これはいったいどういうことなのでしょうか。
メルセデス・ベンツには大きくFF系のMFAプラットフォームとFR系のMRAプラットフォームの2系統があり、その間には「超えられない壁」があるとされるのは有名な話です。
GLBは前者、そしてGLEは後者ですが、両車を乗り比べてみた印象では、確かにそこに壁があることは間違いないものの、それは超えられないほどの隔絶されたものではなかったのではないかと感じました。
もっとも試乗車のGLEはエアサス仕様ではなく、通常のコイルスプリング式サスペンションだったからそう感じたのかもしれません。エアサスに乗れば超えられない壁を見ることができるでしょうか。
GLBは紛れもなく「Bクラス」であり、500万円を超える高額車であるとはいえ、メルセデスの高い高いヒエラルキーにおいてはエントリーレベルです。
エントリークラスに乗る私は、いままではメルセデスの他のSUVを下から見上げるばかりでしたが、全然そんな必要はありませんね。
GLBの方が内装はずっとシンプルで軽薄な雰囲気ですが、GLEの半額でこの内容の商品ができているというのは、相当コストパフォーマンスに優れているといえるのではないでしょうか。
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こちらはSクラスのアンビエントライト。色変わりの間接照明は「お値段2倍以上感」があります。
ということで、メルセデスの幅広いSUVモデルに触れることで、わが愛車GLBの良さを再発見できた有意義なフェアでした。
いやー楽しかったなあ。しかし、初物の車を2台も運転すると、もうヘトヘトでお腹いっぱいですね。
いよいよGLEの試乗も最終盤。試乗路の最後の交差点を右折すると、ん、左車線に赤色灯を光らせたパトカーが停車しています。そして、パトカーの前には白いGクラスが。
僕「あれ、あのGクラス…」
助手席の営業氏「え…うちのG63ですね…」
僕「警察に停められてますね…」
営業氏「試乗できなくて、よかったですね…」
僕「はい…試乗しなくてよかった……」

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