メルセデスAMG GLB35に試乗。GLB 200dとのあまりの違いに打ちのめされました。

メルセデス・ベンツGLB 200d(FWD)からAMG GLB35へのお乗り換え商談中…

営「こちらお見積もりです。とこさんはリピートなので、ここから××万円お引きします。ちょうどこのオプションがチャラになるくらい。」

僕「なるほど。じゃあ奥さんと相談しますね。」

営「そこが一番大変な交渉です。」

僕「いやー、相談したんですけどね。『なによ。新車販売と下取車の転売で二重に利益出るのにこれしか引かないの?』って言われちゃいましたw」

営「奥様同業者ですか…?」

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新我がGLB35と、旧我がGLB 200d。今回はあえて同じ色にしてみた。

みなさまこんにちは。

ということで、前回ご報告した通り、ひょんなことからひょんなタイミングで我が家にやってきたメルセデスAMG GLB35。納車から日が浅く、まだまだ乗りこなしていませんので、今回は購入前の試乗レビューを中心にお伝えします。

天下のヤナセといえども、AMGモデルの試乗車はどこのお店にも置いてあるわけではありません。今回はわざわざ近隣のお店から借りて来て頂きました。一般道と高速道路を1時間程度、じっくりと試乗していきます。

試乗したのはAMG GLB35のMP202302モデル。マイナーチェンジ前の前期型でおそらく最終となるモデルです。2リットル直列4気筒エンジンに8速DCTを組み合わせる4MATICの4輪駆動です。

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まずは外観。フロントグリルにはAMGモデルの象徴であるパナメリカーナグリルが装着されていますが、フロントバンパーの意匠自体は標準車の「AMGラインパッケージ」と同じデザインです。

リップやサイドのアルミ風加飾パーツは、標準車がツヤのあるシルバーであるのに対し、GLB35は艶消しになっているなど、目を凝らすと細かな違いがあります。マフラーカッターは標準車では穴の開いていないダミーですが、GLB35には「本物」の2本出しマフラーがついています。

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GLB35のマフラーエンド。エギゾーストパイプとは繋がっていないので、厳密にはこれもダミーですが。穴すら開いていない標準車よりはマシ?

GLB35の外観における標準車との大きな違いは、フロントグリルを除けばやはり車高でしょう。全高は標準車の1,700mmに対し、GLB35 は1,670mm。並べて見比べるとGLB35の方が明らかに低く見えます。あくまでも車検証上の数値ですが、タイヤサイズは同じ235/50R19でボディももちろん共通なので、純粋に3cmローダウンされていることになります。

GLB 200d(左)とGLB35(右)。GLBオーナーから見ると、GLB35の低さは一目瞭然。

4,650mmの全長と1,845mmの全幅は、GLB標準車のAMGラインパッケージ仕様とまったく同じ。車両重量はサンルーフ付きで1,830kg。これは、同等の装備のGLB 200d 4MATICより40kg軽く、GLB 180より150kg重くなっています。最低地上高はGLB 200dの196mmに対し、GLB35は160mm。4WDのSUVとはいえ、悪路や水たまりを駆け抜けるのは注意が必要です。

内装も基本的には標準車と同じですが、ステアリングホイールは専用品で、走行モードやサス・EPS設定などの切替スイッチがついています。前席シートは、AMG GLA45などのスパルタンなモデルではヘッドレスト一体型の専用品ですが、GLB35は標準車と同じ形です。

メーターは標準車の「クラシック」や「スポーツ」スタイルに加え、AMGの専用モードが用意されています。標準車とは違い、空気圧(推計値)も表示できます。AMGモードは四角いデザインなので、地図が見やすくていいですね。

後席も基本的には同じ。と思いきや、GLB 200dでは発売早々にランニングチェンジでコストダウンされてしまった「蓋なし1口USBポート」ではなく、「蓋付き2口USBポート」がついているではないか!!

GLB35の後部座席用USBポート。GLBの発売当初は全モデルについていたが、早々にUSB-Cポート1口が剥き出しになった「パネル」に変更されていた。

ま、使わないんですけどね。

さて、いよいよ試乗です。まずはお店を出て市街地をひと回りします。幹線道路で信号が青に変わったので、少し加速してみましょう。

アクセルペダルに軽く足を乗せただけで、306馬力400Nmのエンジンから猛烈なパワーが供給され、ドゥロロロロワーーーーン!!!と激しい咆哮とともに猛烈な加速!!シートに背中が押しつけられる!!

エンジンパワーを受け止めるシャシーもハードコアそのもの。舗装の継ぎ目を乗り越える度に、まるで路面から鞭を打たれるようにビシバシと下半身に衝撃が伝わる。四六時中ヒョコヒョコと揺すられるのは速さの証し!これがAMGの洗礼か……!!

とはならないですね。

AMG GLB35、市街地を普通に走る限りは極めて普通の乗り心地です。コンフォートモードで走ればハードな突き上げなどまったく感じません。GLB 200dより揺れないんじゃないかな。エンジン音もディーゼルよりずっと静かです。

ステアリングホイールはリムが細く、クッションが薄めです。ベンツの電動パワステはもともと精密だけど、GLB35のそれはさらに上を行く緻密さで、ギアの歯車がさらに細かくなったような印象です。操舵力は重めで芯がしっかり締まったような操舵感。

それでも一般道を普通に流す限りでは、「AMG!!」とか「パナメリカーナグリル!!」といった気合に満ち溢れたイメージとは裏腹に、普通の穏やかな乗り味です。思わず「普通ですね」「普通ですね」と連呼してしまいました。

続いて高速道路へ。標準車より3cmもローダウンされているGLB35は、インターチェンジのランプではビターっと路面に張り付いて、気持ちよくライントレースできます。コーナーの立ち上がりでも上屋の揺り戻しに気を使う必要はありません。標準車のような緩さは皆無です。

本線に合流し、ステアリング下の走行モード切替スイッチを「コンフォート」から「スポーツ+」に切り替えます。エンジン音が逞しく鳴り響き、いかにもやる気がみなぎる演出です。

GLB35のステアリングスイッチ。右下のダイヤルで走行モードの切り替え、左下のスイッチではサスやESPの個別設定を変更できる。誰ですか「付け根から2個の丸い物がぶら下がっていて◯玉みたいだ」なんて言うのは。マジでぶっ◯されますよ。

そこからアクセルを踏み込むと、306馬力400Nmのエンジンから猛烈なパワーが供給され、ドゥロロロロワーーーーン!!!と激しい咆哮とともに猛烈な加速!!シートに背中が押しつけられる!!

今度はマジです。これは速い!!

アクセルを踏めば気持ち良いサウンドを奏でながら瞬く間に吹け上がり、右足を離せばスロットルが一瞬で閉じるのが分かります。なんだこのレスポンス。というか「スロットルを閉じるレスポンス」なんて概念があったんだ。

加減速を繰り返しても、GLB 200dで高速走行した時に感じるようなピッチングはまったくありません。車線変更もビシッと決まります。スポーツプラスモードで締め上げられた電子制御サスも、橋脚の継ぎ目を乗り越えた時に伝わる衝撃はGLB 200dより明らかに硬いけれど、かといってまったく不快ではありません。路面のアンジュレーションで車体が沈み込んでも、ボディの揺れはピタッと収まり、GLB 200dで感じていたような揺り戻しもありません。

ブレーキもしっかり効きます。GLB35のブレーキには先代AMG C43(だったかな?)で使われていたブレーキシステムが採用されているそうです。GLB 200dでは顕著に感じるブレーキング時のノーズダイブもなく、姿勢は極めて安定しています。

いやー、これはすげえな。

そして、GLB35の高速域での安定した走りを楽しんでいると、渋滞に巻き込まれてしまいました。三連休なので仕方ないですね。コンフォートモードに戻せば、今までの猛々しさが嘘のように穏やかな空間に戻ります。試乗としては残念だけど、ACCをオンにして、のんびりしましょう。

首都高湾岸線をノロノロと動いたり止まったり。アクアライン渋滞です。

ん?

むむむ…

これは、なんかいいぞ…

ACCで前の車に着いて時速20〜30kmまで加速したり、時には止まったり。こんな場面でのAMG GLB35の振る舞いは振動が少なく減速Gも穏やかで、GLB 200dより明らかに快適なのです。

ACCの制御プログラム自体は、おそらくGLB35もGLB 200dも共通かと思います。しかし、GLB35はブレーキがよく効き、サスも締まっているため、ピッチングもノーズダイブも最小限です。これが低速域の快適性にも大きく寄与しているようです。

サンルーフを積んだGLB 200dは相対的にブレーキが弱いので、同じアルゴリズム(前走車との車間Xm、速度差Ykmで踏力Z%、など)で減速しても前走車に接近するのでブレーキを強める。だからお腹にグーッとGを感じる強さで減速せざるを得ない。サスが柔らかいのでノーズダイブも大きい。GLB 200dでこれを続けていると、家族からクレームが来るんですよ。「酔う」って。

ACCで停止する時もGLB 200dでは「ガッ」と止まって「ボヨヨン」とボディの揺り戻しを感じるのに対し、GLB35の振動は最小限で「クッ」「ピタッ」と止まります。なにこれめっちゃ快適じゃん。

渋滞が終わり、再び流れ出しました。GLB35はアクティブステアリングアシストの制御もGLB 200dより正確に感じます。AMGモデルは標準車と比べて、ステアリングも足回りも「遊び」が少なく車の素性がいいため、ソフトウェアが制御しやすいのかもしれません。

僕「というか、GLB35の速さ云々は置いといて、GLB 200dよりめっちゃ快適で楽チンなんですけど」

営「そうなんですよ。試乗するとみなさんそう仰るんです。AMGは素性がいいので快適なんですよ。特にホイールベースの長いGLBはAやCLAなんかと比べるとAMGの中でも一番穏やかなので。」

パワフルなエンジン。精度の高いステアリング。街乗りからハードな走りまでをカバーする電子制御サス。強力なブレーキ。そしてタワーバーだけでなくサブフレームまで専用開発して補強されたボディ。外観よりも中身にお金がかけられたメルセデスAMG GLB35は、コンフォートモードの「普通さ」とスポーツプラスモードの「過激さ」が両立した、ハイパワー快速ツーリング3列ファミリーSUVなのでした。

はっきり言って思ってたのと全然違う……

というのも、AMG GLB35の日本仕様車をプロがレビューした動画ってほとんどないんですよ。河口まなぶさんは「一般道ではサスの硬さからヒョコヒョコしていて、家族から不満が出るレベル」と評価されていました。

しかし、私が試乗した限りではとてもそこまでの硬さとは思えませんでした。発売当初の2021年モデルと2022年モデルでは低速域の足捌きが明らかに変わったというみんカラ情報もありましたので、ランニングチェンジで改善されたのかもしれません。

AMG GLB35、確かに弱点もあります。50〜60km/hくらいの速度で不整な路面では、ヒョコヒョコと小刻みな振動を伝えてきたりします。これはコンフォートモードでもスポーツ+モードでもあまり変わりませんでした。試乗車はまだ2000km程度の新車だったため、距離を重ねれば変化するのでしょうか。

ただ、総合的にはGLB 200dよりもフラットで絶対的な振動も少ないため、乗り心地は街乗りだけを考えてもGLB 35に軍配が上がると思います。国産車並みの優しい乗り心地を求めるなら話は別ですが、それを言ったらGLB 200dだって低速域はそれなりに硬めですからね。

AMG GLB35の装備面でのネガは、一時期オプション装備されていた、10スピーカーサウンドシステムやシートベンチレーションがつかないことでしょうか。大幅な原価高騰で致し方ない部分もあるとは思いますが。

しかし一番残念なのは、GLBでは「アクティブレーンチェンジングアシスト」が廃止されてしまったことです。これは自動車専用道路で時速80km以上でウインカーを出すと自動的に車線変更してくれる機能です。変更先の車線が詰まっているなど安全な距離が確保できなければ、スペースが空くまで待機してから車線変更を開始するといった、極めて優秀な機能です。

ところが、欧州ではすでにGLBの2021年モデルから「EU規制対応」という理由で廃止されてしまっていました。現在のメルセデスのラインナップで「アクティブレーンチェンジングアシスト」が搭載されているのはSクラスとCクラス、GLCやEQSなどに限られます。GLBをはじめとするコンパクトクラスの全車種だけでなく、現行E、GLS 、GLEなど車格を問わず廃止されているところを見ると、どうも最新アーキテクチャでなければダメ、ということのようです。

アクティブレーンチェンジングアシストを失うことは、私にとっては苦渋の決断だったわけですが、まあしゃあない。アーキテクチャが刷新されるであろう次期モデルでの復活を期待するとしましょう。

あれ、いや、決して次もベンツにしようなどど言っているわけではなくて、次はフランス車に戻るんだったかな。ははは。アハハ……

まああとは値段ですかね。AMG GLB35、フル装備だと2クラス上のEクラスセダンとほぼ同じ価格ですからね。コンパクトクラスにそこまで払うの?アホなの?馬鹿なの?と言われても仕方ありません。

2023年8月時点のGLB 200d 4MATIC(MP202302)は637万円スタートで、AMGラインやレザーシートなどのフル装備をつけると749.6万円。一方、GLB35のフル装備は912.2万円で、その差は162.6万円です。よくある雑誌の表現ではありませんが、絶対的な価格は高いとはいえ、この価格差でこの内容の差ならリーズナブルと思えてしまいます。

まあ、とはいえこんな高額車は今回限りじゃないですかね。おそらく最後となるであろう純ICE車のGLB35を思い切り楽しみたいと思います。

営「これでとこさんもいよいよAMGオーナーですね。一度AMGに乗ると、二度とノーマルベンツには戻れなくなりますよ

えっ、ベンツ沼って、二段底なの?

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