【代車試乗記】メルセデスAMG GLA 45 Sは唯一無二のハイパー実用SUVだ!

みなさまこんにちは。

突然ですが、「タダで好きな車を1台もらえるとしたら、何を選ぶ?」と問われたら、どんな車が欲しいですか?車好き仲間で盛り上がる定番のトピックですが、超高級サルーンやハイパーカー、クラシックカーなど思い浮かべるモデルは人それぞれでしょう。

しかし、その「究極の1台」を実際にもらえることになったとしたら、どうでしょう。あなたが涎を垂らすほど欲しかったポルシェ 911 GT3はマンションの立体駐車場には収まらず、フォードGT40は何ヶ月経っても修理工場から戻ってくることはなく、日産スカイラインGT-R(32)は盗難に怯える毎日。

仮にそれを手に入れることができたとしても、「自分はその究極の1台を保有し維持し乗りこなすのにふさわしい身分なんでしたっけ?」と問われてしまう、厳しい現実が待ち受けているのです。

そんな究極の1台を入手できるほどの甲斐性もない私はごく普通の3列シートのファミリーSUVに乗っているわけですが、そのわが愛車メルセデスAMG GLB35が納車されてから、早いもので丸2年が経ちました。特に不具合らしい不具合もなく順調に距離を重ねています。

すでにブログやXでも何度も触れていますが、やはりGLB35の真骨頂は長距離ドライブ。306馬力エンジンに高剛性ボディ、さらに電子制御のアダプティブダンパーで走る高速道路は実に快適。今年の8月は平日アウェイ遠征の山形や、ここ数年恒例となっている福井など、1ヶ月で2000km以上走りました。

GLB35、非常に気に入っています。市街地ではいたって普通の乗り味なのに、高速域ではノーマルGLBとは桁違いの速さと安定性。さらに、ステーションワゴン並みの積載性に広大な2列目空間。そしてさらにベンツやヤナセの信頼性もついてくる。AMG GLB35は、多人数家族にとってまさに理想の『ハイパワー快速ツーリング3列ファミリーSUV』なのです。

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天皇杯山形vs浦和戦のために山形遠征。17時半到着で翌朝6時出発のとんぼ返りがこなせるのもGLB35ならでは。

しかし、そんなGLB35にも課題があります。それは、GLBの最大の特徴である3列目シートを、最近まったくと言っていいほど使わなくなったことです。

3人の子を持つ5人家族には欠かせない3列シート。私は前々車のプジョー308SW、前車GLB 200dと現愛車GLB 35と、12年で3台目の3列車なのですが、いよいよ3列目を使用する機会がなくなってきました。

3人の子供たちが全員中学生になると、そもそも家族5人で乗車することすら滅多にありません。年末年始も海外旅行で別行動だった今年は、たぶん一度もないんじゃないかな。何年か前は祖父母を乗せ、双子を3列目に押し込んで小旅行に出かけたこともありましたが、中学生にもなると物理的にも狭すぎて無理ですね。

3列目を使わなくても、2列目シートのスライドを下げれば広い足元空間が生まれるのはGLBの大きなメリットではあります。しかし、まったく使うことのない3列シートを抱えながら走るというのも、文字通り重荷なのではないかとも思うわけです。

いやー、薄々分かってはいたんですが、どうしたもんですかねえ。

そんな私の心情を知ってか知らずか、GLB 35の2年目点検の代車としてヤナセが送り込んできたのが、メルセデスAMG GLA 45 S 4MATIC+だったのです。短い間ですが、一般道から高速道路まで200kmほど走ることができました。

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代車でお借りしたメルセデスAMG GLA 45 S。こんな大層な車を貸していただけるとはありがたいことです。

FF AMGの「最強」モデル。GLA 45 S

メルセデス・ベンツGLAはメルセデスのSUVとしては最小サイズ。現行世代のGLAは2代目のH247。初代GLAは全高1,505mmと、ちょっとSUVとは思えないほどの背の低さが特徴でした。しかし、現行モデルの2代目の全高は1,605mmと高められ、全体的なプロポーションも典型的な都市型クロスオーバーSUVという雰囲気になりました。

今回代車でお借りしたGLA 45 Sも、パナメリカーナグリルと21インチのブラックホイールで精悍な装いですが、全体的に落ち着いた丸っこいプロポーションは、どちらかというと可愛げのある印象です。

なお、AMGモデルには、FF系では「35」と「45」、FR系では「43」「53」や「63」などのグレードが用意されています。「45」といえば、コンパクト系AMGモデルの上位に位置する本気のスポーツモデル。ただし、FF系で「45」があるのは、Aクラス、CLAクーペ、CLAシューティングブレークとGLAのみ。GLBでは「35」しか発売されておらず、BクラスにはそもそもAMGモデルが存在しません。

ということで、「お前はもう35を持ってるわけだから、45を体験せよ」。要するに「これを買え」ってことなんですよ。代車も客を選ぶということですかそうですか。

さて、AMG GLA 45 Sに乗り込んでみます。セミバケットのAMGパフォーマンスシートは乗り降りに多少気を使うものの、適度にタイトなホールド感。

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全体を撮るのを忘れたシート。68.1万円のAMGパフォーマンスパッケージにシートベンチレーターなどと合わせて装備。

全高はGLB35の1,670mmに対して、GLA 45 Sは1,585mm。最低地上高はGLB35の160mmに対してGLA 45 Sは150mmと僅かな差ですが、GLA 45 SのヒップポイントはGLB35よりもだいぶ低く感じます。

インターフェースはMFA系のマイナーチェンジ版から導入が進んでいる最新世代のMBUX(NTG7)にステアリングスイッチがタッチセンサー化された、通称「トンボハンドル」。以前は存在したセンターコンソールのタッチパッドが小物入れに置き換わっている点も共通です。

意外に穏やかな街乗り。これならイケる…?

スタートボタンを押すとドルンッと勢いよくエンジンが立ち上がり、勇ましい排気音が響きます。ステアリングホイールにもエンジンの振動がはっきり伝わり、いかにも走りのモデルであることを認識させられます。

シフトをDに入れて走り出します。後席に座る同乗者の中1長男が、発進して100mも走らないうちに「なんか滑らかだ」と呟きました。子どものくせになかなか感度が良いですね。そうなんです。このGLA 45 S後期型、私のGLB 35と比べると低速での乗り心地が圧倒的に滑らかに感じます。

乗り心地が「硬い」とか「柔らかい」ならよく分かりますが、「なめらか」ってどういうことだろうと。でも、一言で表現すると「なめらか」なんですよ。ザラザラした感触やゴロゴロした感触がないのです。車軸がフリクションなくスルスル回転する感じ。

加速自体はDYNAMIC SELECTの走行モードが「C」の コンフォートでも強烈です。信号の変わり目にちょっとアクセルを踏み込むと、野太いエンジン音を奏でながら並走車はあっという間にバックミラーのはるか後方の豆粒に。それでもスルスルとスムーズに加速していく様子に、アンバランスさを感じてしまうほど滑らかなのです。

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DYNAMIC SELECTはエンジンやサスなど細かな設定が可能。左側のアイコンの並び順をを変えると、ステアリングダイヤル側に反映されるという凝った仕様

19インチタイヤを履くGLB35に対してGLA 45 Sはなんと21インチ。それでもGLA 45 Sは低速でも脚がよく動き、揺すられ感もありません。橋脚の継ぎ目などの段差も軽くいなしてくれるので、全体的な乗り味はGLB35よりも穏やかです。

これは専用サスペンションの効果が大きく「45」の足回りは「35」とはまったく別物ということです。総走行距離が1,000kmに満たない新車の状態でこれですから、1~2万km走行した後の状態が楽しみです。

また、この穏やかな乗り心地を感じさせるもう一つの大きな要因は、キャビンの静粛性の高さ。まず、乗り込んだ時の密閉感がGLB 35とは一段階違います。耳元の騒音もロードノイズも少なく、全体的に遮音性が向上している印象です。私のGLB35はホールハウスデッドニングの調音施工と静音モールを施工していて、ノーマル車よりも静粛性を高めてありますが、それでもGLA 45 Sの静粛性とは比べ物になりません。

後からディーラーで聞いた話では、メーカーからの発表や通達は特にないものの、 GLAとGLBのマイナーチェンジの際に、部材の変更や建付けの見直しなど総合的な対策が取られているようだということでした。MC前とMC後の同エンジン車に乗り換えたユーザーからも、静粛性が高まっているという感想が多いそうです。

確かに今回の代車のGLA 45 Sも、私のMC前のGLB 35と内装はほぼ共通なのですが、全体的な建付けや剛性感がよくなっている印象があります。もっとも走行距離2万kmの我が車と新車では直接の比較は難しいですが。でも相当静か。

「胸が空くどころではない」加速

この穏やかなGLA 45 S、DYNAMIC SELECTの走行モードを「C」からチェッカーフラッグマークの「Race」に切り替えると、表情は一変します。アクセルを深く踏み込むと、背中に「ドンッ」というGを感じながら暴力的に加速していきます。

2リッターエンジンとしては「世界最強」とうたわれる421馬力エンジンは「クオーン」とよどみなく吹け上がり、「35」以下のモデルからエンジンの搭載位置まで変更されたターボチャージャーがまるでジェット機のような高音を奏でながら、カタパルトに押されているかの如く猛烈な加速。

速いなんてもんじゃありません。GLA 45 Sの0-100km/h加速は4.3秒。ポルシェ・タイカンが3.3~4.8秒、911 Carreraが3.0秒から4.1秒ですから、丸っこいクマちゃんのような見た目によらず、並みのスポーツカーよりも速いのです。

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特大ターボチャージャーを収めるために、下位モデルではエンジン前方にあるターボチャージャーをM139エンジンでは後方に置き換えたそうです。

もちろん、エンジンの速さに相応しいシャシー性能も当たり前のように実現しています。トルクベクタリング式四駆で首都高のコーナーでもグイグイとよく曲がり、AMG C 63から流用したというブレーキも軽い踏力でなんなく制動します。

今回、GLA 45 Sで東北道の120km/h区間を走行しましたが、高速安定性はGLB 35とは比較にならないほど高いです。長距離高速移動はらくちんなことこの上ありません。

今回の代車は新車なので、サスの動きはまだまだ渋いところがあります。電子制御ダンパーを最も締め上げた「S+」にすると首都高ではドタバタするため「S」に設定しました。おそらく距離を重ねれば「S+」でもしっくりくるようになるでしょう。 

こんなに速い車なのに、エンジンを「C」に戻し、巡航速度で流せば雰囲気は穏やかそのもの。日本の道路は舗装の目は細かくても小さなうねりが多くフラット感に欠けるのが特徴ですが、AMG 45 Sは何事もなかったかのように駆け抜けていきます。

いやー、凄いなこれは。凄すぎる。FF系AMGモデルの頂点に君臨する45。これはまたGLB35とは別の次元の車です。

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AMG GLA 45 Sの運転席。ベンツはどれに乗ってもベンツ、です。

凄い車だ。凄い車なんだけど…

しかし、そのGLA 45 Sにもいくつか気になる点があります。

まずはエンジン。AMG 45 Sという車の付加価値の大半は、このM139型2リッター直列4気筒の421馬力エンジンにあるといっても過言ではありません。我がGLB 35と同じ4気筒とは思えないほど滑らかな吹け上がりと圧倒的なパワー。しかし、そのエンジンの価値を存分に味わえる環境は、日本にはほとんどありません

かつてGLA 45 Sを試乗したモータージャーナリストの五味康孝さんは、「暴力的な加速のGLA 45 Sが欲しいという人は、どこで踏むのかよく考えた方がいい。正常な心の持ち主であれば35で十分。ハイパフォーマンスカーを乗り継いで感覚がおかしくなっちゃった人のための車が45」と評していましたが、私もその通りだと思います。

このエンジンで150-200km/h加速なんかを試したら相当気持ちいいのかもしれません。しかし、日本の公道で現実的に出せる時速100km台前半では、このエンジンの価値の片鱗を、ほんの少しだけ垣間見ることができるに過ぎない。そんな気がするのです。

次に、前半で散々褒めちぎった乗り心地。基本的には穏やかで滑らかなのですが、交差点の手前など舗装が荒れた路面では、突然「ドスドスドス」と強めの突き上げを食らいます。クッションが薄く硬いスポーツシートに加え幅の広い21インチタイヤを装着しているためかもしれませんが、スポーツモデルの現実を見せつけられて我に帰る瞬間です。

さらに、前半で散々褒めちぎった静粛性。走行中に足元から頻繁に「カラン」「カチン」という音が聞こえます。おそらく、タイヤが路面の小石などを蹴り上げる音ですね。GLB 200dやGLB35ではほとんど聞いた記憶のない音です。マイナーチェンジで大幅な遮音対策が施されたとみられるGLA/GLBですが、なぜここだけノーマークなのでしょうか。上屋のノイズは少ないし、ロードノイズも明らかに静かになっているのに、足元からカラカラと軽い音が入ってくるのは少し興醒めです。

一足飛びには進歩しないADAS

ここまで挙げた課題がGLA 45 Sの「45 S」に関する部分。ここからは、45 Sの付加価値とは直接関係のない「マイナーチェンジ後のメルセデスMFA系モデル」に共通する部分です。

まずは運転支援。MC前もMC後も、主要な機能が「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」と「アクティブステアリングアシスト/レーンキーピングアシスト(LKA)」という構成はである点は変わりません。GLA/GLBの発売当初に搭載されていた車線変更支援の「レーンチェンジングアシスト」は前期型の早い段階で削除されています。

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MFA系ではMC後から導入された、通称「トンボステアリング」。静電容量式センサーによりステアリングホイールの全周で保持を検知可能。

このADAS、加減速制御はおそらく私のGLB 35と大きな変更はなさそうです。流れに乗っている状況であれば非常にスムーズですが、停止は相変わらず上手くありません。「時速50〜60km/hで走行中、乗員にGを感じさせずに前方の停止車両の直前で停止すること」は、そもそも開発要件に入っていないのだと思います。 停止直前の減速が若干上手になったかなという印象はあるものの、ブレーキが強力だからそう感じるだけなのかもしれません。 

問題は操舵支援です。これは前期型とは別物といっていいでしょう。よい点は、レーンキープ時の安定性が向上したこと。直進でもコーナーでもステアリングを左右に振ることなくきっちりと自車位置を保持してくれる点は進歩を感じます。

一方で、コーナーへの進入時のステアリングの切り始めや退出時の切り戻しは明らかに遅くなりました。前期型のGLB 200d やGLB35では普通に曲がれる、あるいは前走車についていけるような状況でも、後期型のGLA 45 Sでは車線の外側にはみ出しそうになります。当然手動でステアリング操作をするわけですが、前期型よりも積極的なステアリング操作が求められるようになっています。

これはおそらく意図的な仕様変更なのでしょう。前期型のシステムは「グイグイ」と積極的に介入しようとするため、ゆっくりだらだらと流れているような交通状況では、「ステアリングに手は添えているが、システムが積極的に操舵している状態」になります。しかし、後期型の操舵支援では、システムに任せられる局面が減り、自然と運転手が操舵の主体になります。

前期型は「基本は俺(システム)がやるから、お前(運転手)はちゃんと見張っといて」から、後期型は「お前(運転手)がやるんだぞ。俺(システム)はあくまでも裏方なんだから」と言われているような気がします。

この点をヤナセの営業担当に指摘したところ、どうもこれまでのベンツの運転支援は欧州の基準に照らし合わせるとオーバースペックだったらしく、その揺り戻しが起きているようだ、ということでした。つまり性能を落としていると。

これが事実かどうかはわかりませんが、確かにGLA 45 SのLKAも例えば首都高速中央環状線山手トンネルを制限速度の時速60km/hで走行すれば、ドライバーが操舵力を加えなくても走り切ることが可能です。あそこを60km/hで走っていては遅すぎて却って危険なので、70km/hほどまで速度を上げると、コーナーでの舵の切り始めはだいぶ遅れます。直感的に「曲がれない」と感じるので、自分で舵を当てます。曲がり始めるとシステムががっちりコーナーを掴んで安定します。退出時には再び切り戻しが遅れるので、自分で舵を当てるのです。

分かりますよ。その方が安全だし、レベル2運転支援の責任の主体はあくまでも運転手ですからね。分かるんだけど、ねえ。

あと気になるのはオーディオですかね。GLA 45 Sには「ブルメスター・サラウンドサウンドシステム」が標準装備されていて、わがGLB 35の標準スピーカーと比べて明らかに音質が向上しています。標準では聞こえない音が聞こえるし、音の粒もクリアになっています。

ただ、めっちゃいい音かというと、どうなんですかね。正直なところ「すげえ!」って感じでもないです。点検終わりのGLB35に乗り換えると、標準スピーカーの音質のショボさが耳につきますが、それも最初だけ。次に聴くともう慣れてしまいます。まあこんなもんだろうと。

そしてシートベンチレーション。これはFFベンツではかなり珍しい装備で、GLBの場合は発売初期の一部グレードにオプション設定されていたのみ。AMG GLA 45 Sでも「AMGパフォーマンスパッケージ」にセミバケットシートとの組み合わせだけで装備されます。

代車を借りたのはちょうど真夏の真っ盛りの時期ですので、当然使ってみました。シートベンチレーションはお尻と背中の辺りからそよそよと風が吹き出すので快適です。

快適ですよ。快適ですけど「うわあすっげえ!」となるかというと、そうでもないです。冷房じゃなくてあくまでも送風ですからね。体感的には僕がオートバックスで買った600円のメッシュクッションとそこまで変わりません。シートベンチレーションはクッションのようにズレることはないし、あった方がいいのは間違いありませんが。

まあ、ドイツでは普通にどのモデルでも個別オプションで選択できるんだから、こざかしいヒエラルキー設定なんかやめて早く全車標準装備しろという話です。

日本の現行FFベンツでは大半が「プラ蓋」で覆われているここ。ごく一部の数少ないモデルではシートベンチレーションのスイッチがはまります。

あ、あとはMBUXですね。これは何度も書いているので簡単に留めますが、前期型の「物理ボタン式ステアリングスイッチ+センターコンソールのタッチパッド+ごく稀にタッチパネル」と、後期型の「タッチセンサー式ステアリングスイッチ+タッチパネル」を比べると、圧倒的に前期型のステアスイッチの方が操作性がよいです。これはもう比較になりません。

センターコンソールのタッチパッドは、運転中に姿勢を変えずに画面を操作できるという点で大変優れています。また、タッチセンサー式のステアスイッチは誤反応が多く、フラストレーションが溜まります。操作しようと思っていなくても、不意にセンサーに指が触れると反応してしまう。ACCの速度調整などのスライドは100%思った通りに反応しない。これは「慣れる、慣れない」の次元ではなく、単純に確率論です。操縦系のインターフェースに確率の論点が出ること自体がナンセンスです。

「走行中に画面なんか触らない」とか「ACCで1km/h単位の速度設定なんかしない」とかならいいのかもしれませんが、私は幹線道路に出たらほぼACCを使っていますし、「74km/h」や「124km/h」などのセットが必要ですからね。

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地図はきれいになったし、ARナビもギミックとはいえ先進的。さらに「この先『道なり』です」という新しい日本語を覚えました。

ハイパー実用車の極北。それがGLA 45 S。

「凄い車なんだけど…」の「…」がついてしまう理由は、やはり価格です。メルセデスAMG GLA 45 S 4MATIC+(MP202601)の2025年9月現在の価格は1070万円。アドバンストパッケージとAMGパフォーマンスパッケージ、さらに有償ボディカラーを含むフル装備となると1201万1千円になります。

1200万円といえば、ほんの100万円ほど追加すれば、フル装備のAMG C 43(1281万円)やフル装備のAMG GLC 43(1309万円)が買えてしまいます。ノーマルベンツなら、エアサスとリアステアを装備したE 300 Exclusiveも1300万円ほどです。

100人中99割の人にとっては、同じ代金を払うなら、高級感を存分に醸し出すCクラスやGLC、Eクラスの方が幸せになれるはずです。

GLA 45 Sに100万円足すと買えてしまうGLC 43。こっちの方がよくないすか…

それに私のGLB35だって、相当頭がおかしい部類ですよ。だって標準モデルと比べて200万円近く高いんですからね。それで外観も内装も機能装備も標準モデルとほとんどまったく同じですから。

フル装備のGLA 35(1005万9千円)より200万円高く、フル装備のGLA 200d(748万6千円)より450万円も高いGLA 45 S 。あと少しでAクラスがもう1台買えてしまうほどの追金を払ってまで手に入れるGLA 45 Sとはいったいなんなのでしょうか。

「世界最高の4気筒」と名高い421馬力エンジンはスポーツカー並みに速く、しなやかで強靭なシャシー性能を備え、街乗りは拍子抜けするほど穏やかで、落ち着いた外観で隣近所から後ろ指を差される心配もなく、AMG A 45やAMG CLA 45のように床下を擦る心配のない最低地上高が確保され、SUVボディで積載性は高く室内も広く、全長4.5m以下で狭い都内でも取り回しが良く、信頼性の高いADASに各種快適装備が満載で、故障も少なく、充実したアフターサービスと手厚い保証がついてきて、ヤナセの営業担当は定期点検の預かりと納車に自宅まで来てくれる。

そんな車が他にあるだろうか。いいや、ない。メルセデスAMG GLA 45 Sは、決して国産車や他のブランドでは実現できない「ワンアンドオンリー」な車です。そう考えると、実用的なSUVに非常識な高性能を与えたこのAMG GLA 45 Sこそが、私たち庶民が現実的に入手可能な「究極の1台」なのかもしれません。

営業「お前も45オーナーにならないか?見れば解る。35オーナーだな?」

僕「ならない」

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