みなさまこんにちは。
さて、わが愛車メルセデスAMG GLB35は早いもので2023年8月の納車から2年9ヶ月ほど経過し、初回車検も間近になってきました。前車GLB 200dは納車から2年半でGLB 35への乗り換えとなったのですが、今回はまあないでしょう。
乗り換え先が見当たらないという事情もありますし、俺より金を食らう高校生1人と中学生2人の子どもを抱えて現金をあまり使いたくないという事情もありますし、何よりもGLB35がいい車であることが、私を乗り換えに向かわせない最大の理由です。
日常域での使いやすさと高速域での獰猛さを兼ね備えた306馬力のM260エンジン。全車速域で正確で緻密なハンドリングと豊かなフィールを与えてくれるステアリング。ワインディングや高速域でのフラットライドをもたらす電子制御可変ダンパー。軽く足を乗せるだけで十分な制動力を生み出す強力なブレーキ。見た目はほとんど変わらない標準車とはまったく別次元の乗り物を作ってしまうメルセデスには大きな感銘を受けました。
しかし、ノーマルGLBとは桁違いのパワー、コーナリング、制動力のすべての代償となるのがタイヤです。あっという間に溝が減っていくんですよ。普通に考えたら、そらそうやろという話ですが。
タイヤの交換時期は車種や運転スタイルに大きく左右されますので一般化はしにくいのですが、普通の車の普通のタイヤの交換サイクルといえば、サマータイヤを1年間履きっぱなしの場合「4~5年」とか「4~5万km」あたりが概ね一般的なイメージなんじゃないかと思います。少なくとも私はそうでした。
ところが、わがAMG GLB35のタイヤは納車3年弱、走行距離27,000kmで、このような惨状になっていたのです。



残溝はフロントが2mm未満、リアが2mm強でしょうか。前後輪ともにサイドウォールは特に問題ありませんが、ブロックに細かなヒビがたくさんできています。そのうちブロックがごそっと欠けそうで怖いですね。AMGやMなんかに乗られている方からすれば、27,000kmも持ったなんていい方、と思われるかもしれませんが。
普通に60~70km/hで走っている分には問題はありませんが、大きめのバンプを越えたり大雨の時などは、リアのグリップが一瞬抜ける感じがします。ゴムも硬くなっていたのか、春先の気温15度程度でもスリップスティック*が発生するようになっていました。
*4WDのベンツに特有の、冬の寒い時期にサマータイヤでハンドル全切りで旋回すると、前輪からガガガッと異音が出る現象。機構上、旋回時の前後輪回転差を吸収しにくいことから生じるが、不具合ではないとされる。
また、路面によっては「ワワワワワワワワ」と盛大なパターンノイズが生じるようになっていました。なお、タイヤ交換時に外されたフロントタイヤは内側がずる剥けになってしまっておりました。これはノイズが出ても仕方なさそうな痛み具合です。明らかに末期です。

さすがにこの状況で長距離走行は厳しいでしょう。6月からタイヤメーカー各社が値上げするという話だし。GW明けには交換しないと値上げされてしまう。急げ、俺。
GLBのタイヤサイズ
さて、わがメルセデスAMB GLB35(MP202302)に新車装着されていたタイヤは、ピレリP-Zero (PZ4)の235/50ZR19 99Y MO1です。実は、前車GLB 200dと同一サイズ、同一銘柄です。150馬力と300馬力の車でまったく同じタイヤを履いてるんですから、そりゃもたないですよね。
235/50R19でネットを検索すると、価格コムで一番安いのは中国ブランドのMAXEN DURATRIPで1本9000円台です。次がトーヨーやFALKENなどで2万円強。そして、ミシュラン、ピレリ、コンチネンタル、ブリヂストン、ヨコハマなどのファーストブランドは概ね3万円前後というところです。
激安MAXENなら送料と工賃も含めて4本で5~6万円で済んでしまいそうですが、さすがに大丈夫なんでしょうか。まあ、普通に一般道を流す分には激安アジアンタイヤでもなんら問題ないんだろうとは想像しますが、なにせタイヤは自動車部品の中で唯一道路に接触している部品ですからね。
自動車が時速100km/hで走りながらスピンしたり立木に衝突せずにカーブを曲がり切れるのはタイヤが性能を発揮しているからにほかなりません。そういう意味ではやはりちゃんとしたタイヤを履きたいよなと。
我がGLB35の235/50R19を主要ブランドで探すと、以下のような商品が見つかりました。選択肢はそれなりにありますね。
ミシュラン
・ Primacy 5 235/50R19 103W XL
・ Pilot Sport 4 SUV 235/50R19 103Y XL
コンチネンタル
・ UltraContact UX7 235/50R19 99V
・ ExtremeContact XC7 235/50R19 99V SL
・ SportContact 6 235/50R19 99Y MO1
ピレリ
・ P Zero (PZ4) 235/50R19 99Y MO1
ブリヂストン
・ ALENZA 001 235/50R19 99V AO
・ TURANZA T005 235/50R19 99W MO
ヨコハマ
・ ADVAN Sport V107F 235/50R19 99Y MO1
FALKEN
・ AZENIS FK520L 235/50R19 103W XL
次にタイヤの方向性ですが、みんカラを覗くとGLB/GLB35では乗り心地や静粛性を重視して、ミシュラン・プライマシーやBSアレンザなどのコンフォート系タイヤを選択する方も少なくないようです。ただ、私は新車装着されていたP Zeroよりもグリップ性能や操安性を大きく落としたくないため、やはりスポーツ系タイヤがよいかなと。
となると、235/50R19のスポーツ系タイヤでは、①新車時と同じピレリ P Zero、②ミシュランPilot Sport 4 SUV、③コンチネンタル SportContact 6、④ヨコハマ ADVAN Sport V107、⑤ファルケン AZENIS FK520Lあたりに絞られてきます。
で、ここでタイヤをあまり買うこともない私は思い出すわけです。そういや「MO」ってなんだったっけ?と。
『メーカー承認タイヤ』の方がいいの?
タイヤって、実は自動車部品の中でも少し特殊な立ち位置の部品です。まず、自動車メーカーはタイヤを内製せず、100%外部調達に頼っています。自動車メーカーはサスペンションを内製することはあっても、タイヤを内製することはありません。業界関係者によると、「タイヤ生産は新規参入が極めて難しいから」ということだそうです。
また、定期的なメンテナンスや交換が必須で、パンクや劣化しないように空気圧や異物のチェックが必要ですし、寒冷地に住んでいる人は半年に1回夏タイヤと冬タイヤを交換する必要があります。故障が大事故にもつながりかねないタイヤは、自動車好きだろうとそうでないとにかかわらず、それなりに気をかけなければならない部品なのです。
また、タイヤほど部品メーカーの社名やブランド名が大々的に記載されている自動車部品も他にありません。高級車だろうと商用車だろうと、タイヤには必ずブランド名が打刻されています。しかもたくさん。だって、トヨタ車についてるトヨタのマークって、普通はフロントとリアとステアリングの3か所しかないんですよ。でもタイヤは必ず4か所ついてるんです。タイヤの方が多いじゃねえか、真っ黒だけど。
AI時代だろうとEV時代だろうとSDV時代だろうと、タイヤの重要性はまったく変わりません。仮にバックトゥザフューチャーの世界で自動車が空を飛ぶようになったとしても、地上走行時には従来のゴムタイヤが必要なのです。
それでは、その重要なタイヤを自動車メーカー(OEM)はどのように調達しているのでしょうか。市販のタイヤをそのまま装着するということではなく、他の部品と同様に新車開発時において車両の目的や性能に応じたタイヤ性能を目指して開発を進めています。要するに、車種ごとに「こういう性能のタイヤが欲しい」とタイヤメーカに要求するわけですね。
タイヤメーカーとしては、OEMの要求仕様に応じて、タイヤの性能を左右する主な要件である「内部構造(骨組みやベルトの構造)」「トレッドパターン(タイヤの溝の形状)」「コンパウンド(トレッド面のゴムなどの部材の配合)」を検討したうえで開発・生産し、自動車メーカーに納品します。これがOEタイヤ(新車装着タイヤ)です。なお、カーショップやガソリンスタンドなどで市販されることを前提としたタイヤは、リプレースタイヤと呼ばれます。
ただし、OEタイヤをすべての車種でゼロから開発するのは費用的にもリソース的にも割に合いませんので、タイヤメーカーはある程度汎用的な「新車装着向けタイヤ」をラインアップしています。
分かりやすい例を挙げると、ブリヂストンには「エコピア」というタイヤがあります。名前の通り燃費性能を重視したコンパクトカー向けのエコタイヤですが、リプレース向けは「エコピア NH200」、新車装着向けは「エコピア EP150」が主流です。
「NH200」や「EP150」などのコードは通常「パターン名」と呼ばれる、タイヤのトレッドパターンの形状をコード化したものです。カタログを見ると、同じエコピアでもリプレース用の「NH200」とOE用の「EP150」ではパターンが全然違うことが分かります。
で、OEMとしては「じゃあ、この車のタイヤはEP150のこのサイズで行きましょう」と指定することで、晴れて「承認タイヤ」となるわけですね。引用した多田さんの記事の通り、普通は同じ車種の同じサイズでも複数のメーカーから供給を受け、消費者の元にはランダムに納車されることになります。
そして、高級車やスポーツカーなどの高性能モデルとなると、タイヤに求められる性能も上がります。ミシュランの説明を引用します。
「車はモデルごとに異なる車輌特性があります。車の重量、パワー、エンジンの位置は、タイヤにダイレクトに影響します。そのため、自動車メーカーは車の性能特性を全て考慮したタイヤを必要とします。ミシュランのエンジニアは、メルセデスAMG、ポルシェ、テスラ、BMWといったカーブランドのエンジニアと緊密に連携し、それらの特別な要求に応えるタイヤを開発しています。入念なテストと調整を経て、タイヤは自動車メーカーの承認を受け、ターゲットの車種に装着されます。」
特に欧州の自動車メーカーから技術承認を受けたタイヤには、サイドウォールに自動車メーカーを表す刻印がつきます。メルセデス・ベンツは「MO」や「MO1」(AMG専用)、BMWは★(スター)、アウディは「AO」などです。
そして、欧州の場合は、OEタイヤ向けにまったく新しいパターンを起こすのではなく、市販品を特定車種向けにチューニングしたタイヤを提供することが多いのです。
例えば、ピレリ P-Zeroは同じトレッドパターンでもビードやプライなどの内部構造を変更できるよう、いわば「プラットフォーム」のような思想の設計になっているそうです。
ミシュランのPilot Sport 4のリプレース品とOE品(BMW M3向け)を比較した動画がありました。この動画では、市販品とOE品では、コンパウンドの配置(市販品は2列、OE品は4列)やベルト剛性、パターンのチューニングが異なると説明されています。
BMWとミシュランによる開発は2017年から2年半をかけ、30種類以上の試作品が作成されたということです。
肝心の走りですが、この動画では、ドライハンドリングはOE版が明らかに優位で、市販4Sはアンダーステアが出やすく、ステアリングにわずかな遅れやアンバランスを感じるということです。
しかし、OEタイヤが同銘柄の市販品と比べて全方面で優れているかというと、そう単純な話ではないようです。この動画では、ミシュランPS4のOE品と市販品では、「ウェット性能は市販品に若干分がある」という評価でした。これは、OE品はOEMの要求に従ってドライ性能を重視したチューニングとなっているため、万人向けに高いバランスを目指した市販品との差が生じたということのようです。
というわけで、OEタイヤは車種に応じたチューニングがなされているため、市販品と比べて全面的に優れているとまではいえないものの、少なくとも自動車メーカーが「このモデルに装着することで、メーカーとして想定する性能が発揮されると認めた」ということは言えそうです。あくまでも開発が成功している場合において、ではありますが。いずれにせよ、基本的にOE品の方が間違いはなさそうだと言って差し支えないのではないかと思います。
市販タイヤは差別化のために「高いウェット性能」や「優れた静粛性」など、ある程度性能を特化した性質になりがちですので、純正タイヤの性能に不満があり、優先したい性能があるのならば市販品を選択するのもありだと思います。
また、OEタイヤは新車ディーラーでしか買えないのかというと、全然そんなことはありません。OEタイヤもリプレースタイヤと同様に、普通に市販されています。
ちなみに、我がAMG GLB35のサイズであるピレリ P-Zero (PZ4)の235/50R19には、「99W MO(メルセデスベンツ用)」と「99Y MO1(メルセデスAMG用)」と「99V VOL(ボルボ用)」、そして「103V VOL(ボルボ用)」があります。ここまで読んでいただければ分かると思いますが、それぞれ新車装着される車種用にカスタマイズされている可能性があります。
スピードレンジやロードインデックスもそれぞれ異なる(99は1本あたり最大荷重775kg、103は875kg。Vは最高速度240 km/h、Wは270 km/h、Yは300 km/h。)ことから、おそらく内部構造も異なるのでしょう。パターンも微妙に違う可能性もあります。
ということで、タイヤを選んでいきたいと思います
皆様、タイヤ買ったことあります?
スタッドレスに履き替えることもなければサーキット通いもしない私は、よく考えたらタイヤを買った経験がほとんどないんですよ。前々車プジョー308SWの時に1回、その前の前のプジョー106S16の時に1回、かな?最初の車のホンダ・シティも8万kmくらい走ったから、1度くらいは交換していたのかもしれません。車を買った回数よりタイヤを買った回数の方が明らかに少ないです。
直前のプジョー308SWは2018年に川崎のコストコで交換したのでもう8年前です。今回、タイヤを選定するにあたって最初に声をかけたのは、かかりつけのヤナセでした。
「ディーラーでタイヤを買うと高い」っていうじゃないですか。それはその通りだと思います。ディーラーのタイヤは高い。しかし、ディーラーの良いところは「何かあったら面倒見てくれる」という点です。ヤナセの担当者の話では、他所でメンテされたタイヤの組み方がめちゃくちゃだったなんていうこともあるそうです(ヤナセだってタイヤ交換はどうせ外注だろうという突っ込みはお控えください)。
この歳になると、車に限らずいろいろなことで、安心料なり手間賃として少しくらい余計に払ってもいいんじゃない?、という気になってくるんですよ。もうおっさんですから。タイヤではありませんが、知り合いが安くしてくれるって言うからお願いしたけど、結局放り投げられてフェードアウトしてまったく進まないなんて経験もしていますので。
ということで、AMG GLB35のタイヤ235/50R19の交換費用一式の見積もりをヤナセで取っていただきました。なお、担当者の話によると、MOタイヤでも非MOでも乗り味はほとんど変わらない、純正タイヤ以外の取り扱いも全然OK、社員も普通に安いタイヤを仕入れて履いてます、ということでした。
なるほどそういうものですか。じゃあ目玉が飛び出るほどの金額にはならないのかな。
ヤナセ「コンチネンタルなんですが、1本77,000円で、交換工賃込みで37万7千円になります。」
僕「高すぎだろ」
終
制作・著作
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ⓃⒽⓀ
いやいやいやいや。
1本77,000円って、僕が2018年にコストコで交換したミシュラン Primacy 4の交換費用一式と同じじゃないですか。あり得なさ過ぎてコンチの銘柄聞くのすら忘れましたよ。
「ちょっと高くてもディーラーでタイヤを交換して大いなる安心を獲得する」というセレブな目論見はあっけなく崩れ去りました。ヤナセでタイヤを交換するなんて、俺には10年早かった。
たどりついたヨコハマADAVN
ということで、タイヤ選びは振り出しに戻ります。前述の通り、AMG GLB35の235/50R19のスポーツ系タイヤは、概ね①新車時と同じピレリ P Zero、②ミシュランPilot Sport 4 SUV、③コンチネンタル SportContact 6、④ヨコハマ ADVAN Sport V107、⑤ファルケン AZENIS FK520Lの5点に絞られます。
このうち、メルセデスのMO承認マークがあるのは、①のP Zeroと③コンチSC6、④ADVAN V107の3点です。どれもAMG向けの「MO1」ですが、P Zeroは今までと同じなのでパス。コンチSC6はAMG GLEで採用されていたようですが、SC6の発売は2015年と古い設計のタイヤです。となると、発売時期の新しいヨコハマのADVAN Sport V107かなあ。
たまにはミシュランやピレリばかりでなく、日本製のタイヤも試してみようかなと軽い気持ちでヨコハマタイヤのショップ「タイヤガーデン」に問い合わせてみました。
すると、ヨコハマ ADVAN Sport V107F 235/50R19 MO1のお値段はなんと4本コミコミ150,000円で、さらに横浜ゴムのキャンペーンで2万円のキャッシュバックがつくというではないですか。実質13万円。
や、安い!!
まあ、安さばかりを求めているわけではありませんが、そもそも235/50R19ってネットでは1本3万円程度なんですよ。工賃を含めて15万円前後というのが通常の相場なのかと思います。ヤナセの価格は市価の2.5倍って、いったいどういうことなんですかねほんと。
ADVAN Sport V107の235/50R19は、正確にはAMG GLA 35/45向けの承認サイズであって、GLB35向けのV107の承認サイズは255/35R21なのですが、まあいいでしょう。同時期に開発された姉妹車ですし。
ということで、割とリーズナブルなお値段でAMG承認タイヤを装着することができました。
肝心の装着後のレビューですが、長くなりましたので【レビュー編】に続きます。



