みなさまこんにちは。
さて、本ブログはかれこれ14年くらい細々と続いておりまして、その間にライブドアブログを経てwordpressに移行し、タイトルも変わりました。
ブログを始めた頃にはひとりだった子供は3人に増え、気がつけば高校生と中学生に成長しているではありませんか。
輸入車好きが子宝に恵まれ、必要性から3列シートの輸入車を中心に、当初はプジョー、5年ほど前からはベンツなどに関する雑感を書き連ねてきました。
しかし、子供も中高生にもなれば習い事や部活の予定がどんどん入り、嗜好も分かれてきますので、夏休みや冬休みの旅行でさえ家族5人が揃うことが少なくなってきました。どこのご家庭も似たようなものかと思いますが、子供の成長は喜ばしい反面、寂しいものもあります。
2026年の夏休みも、高1長女は別の予定があるため、家族4人と義父母の6人で北海道を訪れることを決めました。
私は2年前に愛車メルセデスAMG GLB35で道東を訪れていますが、さすがに親族6人でフェリー移動に丸2日費やすわけには行きません。そもそもGLBでは6人分の旅行の荷物は積めません。
ということで、5月のGW明けから飛行機と宿を抑え、レンタカーも探し始めました。早いに越したことはありませんからね。
アル/ヴェルか? グランドキャビンか?
6人乗車の長距離移動でレンタカーを借りるとなると、車種の選択肢は、ほぼアルファード/ヴェルファイアかハイエース・グランドキャビンの2択になります。そのうち新型日産エルグランドなんかも出てくるのかもしれませんが。
ここは非常に迷うところです。
アルファードは、ワンボックスであっても乗用車のような乗り心地や操縦安定性を実現するために、トヨタが全身全霊を注ぎ超本気で開発した最重要車種です。
一方のグランドキャビンは、あくまでもハイエースバンをベースにボディを拡大して座席を追加した、昔ながらの伝統的な「ワゴン車」。
私は現行の40系アルファードを運転したことはありませんが、先代30系もよい出来でしたし、運転のしやすさや乗員の快適さにおいて、グランドキャビンよりもアルファードの方が優れていることは疑いありません。ハイブリッドなら燃費もよさそう。
それに、市販仕様のアルファードにはACC(アダプティブクルーズコントロール)やLKA(レーンキーピングアシスト)などの運転支援機能も標準装備されていますので、レンタカー仕様がどこまで装備されているかは不明ながら、快適な運転が期待できます。
一方グランドキャビンの最大のメリットは室内空間。4列シートの10人乗りで全長5.4mのグランドキャビンは、普通免許で運転できる乗用車としては最大級。6人乗車なら1週間分の荷物を積んでも窮屈になる心配はありません。
アルファードとグランドキャビンのサイズを見てみましょう。グランドキャビンはアルファードと比べて、全幅はほぼ同じながら、全長は40㎝ほど長く、全高も30cm以上高い車です。
| アルファード (現行40系) | グランドキャビン | |
| 全長 | 4,995 mm | 5,380mm (+385mm) |
| 全幅 | 1,850 | 1,880 (+30) |
| 全高 | 1,945 | 2,285 (+340) |
| 室内長 | 3,005 | 3,525 (+520) |
| 室内幅 | 1,660 | 1,695 (+35) |
| 室内高 | 1,360 | 1,565 (+205) |
| ヒップポイント | 835〜845(運転席) | 1,050程度(非公式) |

アルファードの座席配置には、7人乗り(前2 – 中2 – 後3)と8人乗り(2 – 3 – 3)がありますが、7人乗り仕様に6人乗るには、3列目をフルに使用する必要があり、荷物を積み切れるのか不安がありますし、8人乗り仕様では3列目の片方を格納して荷物をたくさん詰めそうですが、2列目に3人座らなければならず、窮屈になりそうです。
料金はというと、トヨタレンタカー釧路空港店の2026年8月の一般料金は、W3クラスのアルファードが24時間で38,500円で、W4クラスのグランドキャビンは41,580円と、その差はわずか。なお、アルファードは「車種指定」を選択すると45,100円で、グランドキャビンよりも高くなります。
いやー、どうしようかなあ。運転するなら絶対アルファードだし、長時間運転における快適性は安全性に直結するし。かといって、乗員がゆったりできそうなのはグランドキャビンだし。ぎゅうぎゅう詰めで肩寄せ合っての長距離移動はしんどい。悩ましいところだな……。
まあ、大は小を兼ねるわけで、北海道ならグランドキャビンの大きさもそこまで問題にならないだろうし、グランドキャビンにしておくか。ADAS無さそうだけど……
ポチッ。
旅行なんて宿と移動手段さえ抑えてしまえば、あとは直前まですっかり忘れてしまっていても構いません。飛行機も宿もレンタカーも決まったし、あとは夏休みが来るのを待つだけですね。
そしてお盆も3週間前に迫った7月下旬。
えっ、長女の予定がキャンセルになって、我々の北海道旅行に合流する?!
6人が7人に?!
いやこれアルファード予約してたら終わってた……

多人数の長距離旅行は、やっぱりグランドキャビン
ということで、当初6人の予定が急遽7人に変更された北海道旅行。7人だったらはっきり言ってハイエース・グランドキャビン一択です。
今回の旅路は釧路から入り、霧多布から根室を経てオホーツク海沿岸を北上して北端の稚内を目指すルートです。乗り捨て料金がもったいないので、稚内から再び釧路へ南下するルートを選択しました。

羽田空港から釧路たんちょう空港まではわずか1時間35分。2年前は東京から陸路とフェリーで丸2日かけてようやくたどり着いた釧路に、こんなにも簡単に来れてしまう飛行機には、毎度ながら驚かされます。
釧路空港のレンタカー店舗はターミナルビルから少し離れた一角にありますので、店舗スタッフさんが運転する乗り合いの送迎バスに乗せてもらいます。
送迎バスというか、送迎バス自体がグランドキャビンなんですが。「グランドキャビンってどんな感じなんだろう」と思う方は、あの空港でレンタカー屋に向かう10人乗りの送迎バスがグランドキャビンだと思って頂ければ間違いありません。
さて、こちらが今回お借りしたグランドキャビンです。

正式名称は「ハイエースワゴン・グランドキャビン」。ハイエースは言わずと知れた日本の商用車の代表格ですが、商用タイプの「ハイエースバン」と乗用タイプの「ハイエースワゴン」が存在します。
その「ワゴン」の「ワイドボディ・スーパーロング・ハイルーフ」仕様に与えられたグレード名が「グランドキャビン」なのです。グランドキャビンは、バンとワゴンを含めたハイエースシリーズで最大のサイズとなります。
グランドキャビンの乗車定員は10名。日本国内で普通免許で運転できる自動車としては最大級の大きさです。私は過去に関東で3回ほど運転し、今回は初めての北海道での運転です。
さっそく運転席に乗り込んでみます。ハイエースシリーズは、フロントエンジンの上に運転席が置かれたキャブオーバー車です。1列目への乗降性ははっきり言ってよくありません。ハンドグリップを握ってステップに足を掛けて「よっこいしょ」と登る必要があります。
しかし、一度運転席に座ってしまえば、キャビンは広々として開放感がありますし、見晴らしもいいのでまずまず快適です。トラックのように寝かされた大きなステアリングホイールをぐるぐると回しながらゆったりと運転するのが良いでしょう。
グランドキャビンの走り
グランドキャビンの2,150kgの車体と人間7人の重量に対して、「2TR-FE」型2.7リッターガソリンエンジンの163馬力243Nmというパワーは物足りなく聞こえるかもしれません。
しかし、平地で加速する分にはさほど問題はなく、交通の流れにスムーズに乗ることもさほど難しくはありません。ただし、高速道路の上り坂などでは力不足を感じるところはあります。ブレーキはよく効くのでまったく心配ありません。
サスペンションは、フロントが「ダブルウイッシュボーン式トーションバースプリング」という少し特殊なタイプで、リアはカーゴスペースを重視したリーフスプリングです。
北海道の幹線道路は概ね60〜80km/h程度で流れています。グランドキャビンは操安性を重視した車ではありませんので、直進性はさほどよくありませんが、北海道の道路の道幅は総じて広く、カーブも勾配も緩やかなので、運転に難しさを感じる局面は少ないと思います。
グランドキャビンを運転しはじめて驚かされるは、やはり「曲がらない」ということですね。速度が乗った状態で曲がろうとすると強いアンダーステアが出るのです。「うわっ、全然曲がらんなあ」と。
しかしこれは運転の仕方によってだいぶ改善することができます。グランドキャビンのような「曲がらない車」でスムーズに曲がるコツは、「フロントに荷重を乗せること」です。
カーブの手前でアクセルオフやブレーキングで前傾姿勢を作って前輪に荷重を乗せることで、タイヤのグリップがしっかりと効いて曲がりやすくなります。
もちろん、つんのめるほどの強いブレーキでは曲がることすらできなくなりますので、あくまでも軽い前傾姿勢を維持しながらコーナーに進入します。普段のGLB35ではコーナー手前のフロント荷重なんて意識することはありませんが、グランドキャビンでは的面に変わります。

東京で快適な車が、北海道でも快適とは限らない。
グランドキャビンは当然走りに振ったモデルではありませんので、サスペンションは比較的ソフトな味付けで、タイヤサイズも「195/80R15」というたっぷりのエアボリュームです。
そのため、グランドキャビンを70〜80km/h程度で流しているとボヨンボヨンとよく揺れます。人と荷物を積んでいればリアが跳ねるようなことはありませんが、ゆったりとした上屋の揺れをステアリング捌きでいなしながらゆらゆらと走るのがグランドキャビンの乗り方です。
グランドキャビンは「駆け抜ける喜び」とは対極にある車ですが、北海道をロングドライブするならこういうソフトな乗り味が適しているとも思いました。というのも、北海道の道路はとにかく舗装が悪いんですよ。
『どこまでも果てしなく続く道!北海道でしか体感できない絶景ドライブルート!』
『静寂な湖畔や牧歌的な田園風景、そして風光明媚な海岸線まで、北の大地を走り抜けよう!』
そんなガイドブックの謳い文句は嘘ではありませんが、「ただし、劣悪な舗装に内臓を揺すられ続けながら」という、北海道ドライブのもう一つの真実がすっぽりと抜け落ちています。
私は今回走行した1300kmでポットホールに遭遇したことはありませんでしたが、ひび割れや、補修パッチによる路面の荒れはいたるところで待ち構えています。国道も高速道路も路面の傷みが激しいのです。昔からこんな酷かったかなあ。ヤバいぞ日本。
北海道の路面が傷む大きな原因は厳しい冬の寒さ。低温で舗装が収縮してひび割れたり、劣化した舗装から内部に入った水分が凍結と融解を繰り返すことで、ひび割れが大きくなってポットホールなどの大きな損傷を引き起こします。

国土交通省北海道開発局も北海道の道路について「補修からの経過年数が年々伸び、ひび割れ率、ポットホールの発生率も増加傾向にある。全道的に舗装の劣化が進行している。」と評価しています。
また、低温に加え北海道の道路は距離が長いこともメンテナンスを難しくする原因です。北海道の一般国道の総延長は6,811km、道道の総延長は11,916kmだそうです。東京都は一般国道が351km、都道が2,370kmですから、国道に限れば東京都の20倍、都道府県道を合わせても東京都の7倍近い距離の道路を維持しなければならないのです。補修工事が全く追いつかないのも納得がいきます。
こういう舗装状態のよくない道路を走るのは、やはりソフトな足まわりの車に限ります。私は2年前に愛車のメルセデスAMG GLB35で北海道を巡りましたが、自分の車で北海道巡りができることに涙が出るほど感動した一方で、そこかしこの酷い舗装状態には、正直なところ閉口してしまいました。
もう一度GLB35で北海道を走りたいか?と問われれば「悩ましい。なぜなら舗装がガッタガタだから」というのが本音です。
もっとも、幹線道路の舗装が劣悪なのは北海道に限った話ではなく、他の地方の幹線道路も傷んだ舗装がそのままになっている地域は少なくありません。道路インフラの老朽化と人口減少が同時並行で進む日本では、ますます酷くなっていくのでしょう。
脚の硬いドイツ車のましてやスポーツモデルなんて、ますます日本の道路の現状にマッチしなくなってきているのだと思います。時代はフランス車ですよ。

ADASがない?自前の脳みそフル回転だ!
グランドキャビンに話を戻します。
今回借りたグランドキャビンは令和2年(2020年)式。古い車ではありませんが、ADAS(先進運転支援機能)と呼べるような装備はひとつもついていませんでした。運転支援として唯一ついていたのは、車線逸脱警報くらい。車輪が車線の白線をまたぐと「ピーッピーッ」という警報音が鳴る機能です。
ハンドル操作が全手動なことに加え、グランドキャビンにはクルーズコントロールはACC(前車追従)はもちろん速度固定式もついていないため、加減速をすべて自前の脳みそで処理しなければなりません(なお、2026年1月の装備改定でカーブ速度抑制機能付レーダークルーズコントロールが全車標準装備)。
久しぶりの全手動運転の長距離運転ですが、ハンドルはともかく速度の制御は難しいですね。だって、前方から目を落としてスピードメーターを見ない限り、人間の脳では正確な速度が分からないのですから。
ACCを常用するようになると「70km/hで走ってるつもりだったけど80km/h出てた(60km/hだった)」というのはあり得ません。ACCは、前を走る車の速度に追従することだけでなく、「自分が決めた速度で走れること」も大きなメリットなのです。
その他の運転関連の機能では、パーキングブレーキがハンドル左下から伸びたレバーを引く「ステッキ式」だったり、ワイパーも手動だったりと、何とも懐かしい気分になります。ヘッドライトがオートライトだったのはよかったですね。
なお、シートは秀逸でした。4泊5日で1300km以上運転しましたが、お尻も腰もどこも痛くなりませんでした。これはすごい。
私が普段乗っているGLB35の運転席も、基本的に何キロ乗っても体が痛くなりませんが、GLBのシートは硬めのクッションでガッチリと身体を支え、どんなに荒れた路面でもビクリともしない剛性の塊のようなシートです。
グランドキャビンのシートは、クッションは柔らかく、形状もどちらかといえば平板で姿勢も崩れやすいです。それでも座面のサイズはたっぷりとしていて、不思議と疲れないのです。

グランドキャビン、乗員は快適なの?
さて、これまでハイエース・グランドキャビンを運転する立場から紹介してきましたが、今度は「乗る立場」、乗員としての印象を述べていきます。といっても今回の旅行はすべて私が運転し、乗員として乗ったのは空港の送迎車だけなのですが。
グランドキャビンのシートレイアウトは2-2-3-3の4列10席です。前席はエンジンの上に跨る形になりますが、2列目以降はバンのフロアに椅子を置いたような構造なので、乗り降りは楽です。
また、スライドドアの内側は大きな「土間」になっていて、2列目と3列目の乗員は前列に移動することなく乗り降りができます。さらに、中央が通路になっているため、4列目の乗員もスムーズに乗り降りできますし、横に3人並んで座っても窮屈になりません。このシートレイアウトは、アルファードなどのミニバンでは難しい、グランドキャビンならではです。

シートは運転席や助手席よりも少し薄い作りでしょうか。前後スライドもありませんが、脚が長い方は2列目やスライドドア横を選べばかなり大きな足元空間を得られます。
全長が5.4mあるため、1週間分の旅行の荷物も余裕で積めます。7人分の荷物だとスカスカになるため、少しもったいない気もします。しかし、最後列の4列目からリアエンドまでの空間はたっぷりありますので、後面衝突安全性は十分確保されていると言えると思います。

エアコンは前席とリアが独立式になっています。まず前席インパネにある「REAR」というリアクーラーのメインスイッチを押し、次に2列目の頭上の風量スイッチで操作します。私が訪れた時期の北海道は場所によって日中の最高気温が32度を超えることもあったのですが、それなりに効きます。
と思ったら、後方から「お父さん、なんか熱い風が出てくる!」という声が。
なに?どこから?
「下から」
下ってどこだよ。床に送風口があるの?
「いや、ない。床から熱い風が」
なんだそりゃ。床に穴でも開いてるのか?
埒が明かないので車を停めて確かめてみます。なるほど、2列目の「土間」のあたりの床から、熱風というか熱気がモワモワと上がってきてますね。これはおそらく排気パイプの熱が車内に伝わってきてるんでしょう。これはどうにもならん。エアコンを強くするしかないですね。
ということで、いかがでしたでしょうか。ハイエース・グランドキャビンなら大人数の北海道ドライブもお手の物。皆様も一度検討してみてはいかがでしょうか。
